新入社員研修67日目:点と点が線になる瞬間!実務で気づく会計の面白さ

系列企業から見えた!業務の共通点と「気づき」の重要性

 

この日、私はこれまで担当していた企業様の系列会社を、新たに教えていただく機会に恵まれました。
最初は「また新しいことを一から覚えないと…!」と少し身構えていたのですが、資料に目を通し始めると、すぐに興味深い発見がありました。

「あれ、このチェックポイント、前の会社とすごく似ている…?」

そうなのです。
系列会社ということもあり、業務の流れや確認すべきポイントに多くの共通点があったのです。
例えば、請求書のフォーマットや使われている勘定科目に既視感があったり、経費精算のルールが酷似していたり。

最初は偶然かと思いましたが、業種が同じであれば、処理する資料の形式や記載されている専門用語が似ているのは当然のことですよね。
この当たり前の事実に、実務を通して初めて深く気づくことができました

以前の私なら、それぞれの企業を全く別のものとして捉え、一つひとつを完全に新しい業務として処理していたかもしれません。
しかし、これまでの経験があったからこそ、
「この資料の処理は、あの時のやり方が応用できるな」
「注意すべきポイントはきっとここだ」と、自分の中で点と点が繋がり、線になっていくような感覚を味わうことができたのです。

この「気づき」一つで、業務のスピードも正確性も格段に上がります。
ほんの些細なことかもしれませんが、自分の中に経験が蓄積され、それが応用力に繋がっていることを実感できた、非常に嬉しい瞬間でした。

 

給与計算の落とし穴?未払い計上の仕組みを実務で学ぶ

 

次に取り組んだのは、給与関連の業務です。
ここでまた一つ、改めて大きな学びがありました。 それは、「給与の未払い計上」という処理です。

私が担当した企業様では、数ヶ月分の給与入金が記録された通帳のコピーが先に届いていました。
通常であれば、給与明細と照らし合わせて処理を進めますが、今回は少し特殊なケースでした。

多くの企業が採用している「月末締め、翌月払い」の場合を例に考えてみましょう。

  1. 月末: 従業員のその月の給料が確定します。(例:9月30日に9月分の給料が確定)
  2. 仕訳: この時点で、会社は「給料」という費用を計上すると同時に、まだ支払っていないため「未払費用」という負債を計上します。
  3. 翌月: 実際に給料が支払われた日に、「未払費用」を取り崩す仕訳を行います。

この「未払費用を立てて、翌月に消す」という一連の流れが非常に重要です。
もし、この未払い計上を忘れてしまうと、その月の費用が正しく計上されず、会社の利益が過大に計算されてしまいます。
そうなると、会社の財政状態を正確に把握できなくなり、経営判断を誤らせる原因にもなりかねません。

これまで私が目にしてきたのは、給与明細に基づいて入力するケースがほとんどでした。
しかし今回のように入金済みの通帳から処理する場合、自分で未払い分を正確に計算し、入力する必要があったのです。

「この入金記録は、先月分の給与だから、先月のうちに未払費用が計上されているはずだ」
「ということは、この仕訳を入れないと、帳簿の整合性が取れなくなるぞ」

このように、一つの処理の裏側にあるべき仕訳を推測し、会計の原則に立ち返って考える力が試されました。
知識として知ってはいましたが、実務の様々なケースに触れることで、その重要性を肌で感じることができました。

簿記の知識は土台!実務経験こそが最高の成長エンジン

今回の研修を通して、改めて痛感したことがあります。
それは、「簿記の知識はあくまで土台であり、本当の成長は実務経験の中にこそある」ということです。

学生時代に学んだ簿記の知識は、会計の世界の地図のようなものだと思います。
どこに何があるのか、基本的なルールを教えてくれます。
しかし、実際にその道を歩いてみなければ、道の凹凸や、地図には載っていない近道、そしてそこから見える景色に気づくことはできません。

  • 「この仕訳が入るということは、こういう取引があったはずだ」
  • 「逆を言えば、この取引があるなら、あの仕訳がないとおかしい」

このように、物事の裏側を予測したり、異常を検知したりする「会計センス」のようなものは、膨大な量の仕訳データと格闘し、様々な企業のケーススタディを経験する中でしか磨かれないのだと、身をもって感じています。

まとめ:これからも、一つ一つの経験を大切に

 

研修67日目は、私にとって「気づき」の多い、非常に濃密な一日となりました。
系列企業の共通点を見つけられたこと、複雑な給与計算の仕組みを実践で学べたこと、その全てが今の私の血肉となっています。

まだまだ学ぶべきことは山のようにありますが、焦らず、一つ一つの業務に丁寧に向き合い、経験を自分の力に変えていきたいです。

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