目次
小さな自信が確信に変わった瞬間。フィードバック1件が教えてくれたこと
その日、午前中に担当していたのは、ある企業様の月次処理の一部でした。
この企業様の業務は、これまで何度か担当させていただいており、一連の流れや注意すべきポイントも自分なりに整理できていたため、少しだけ自信を持って取り組めていました。
「よし、今回こそはミスなく完璧に仕上げるぞ!」
そんな意気込みで資料と向き合い、何度もセルフチェックを重ねて、上司へ確認の依頼を出しました。
とはいえ、やはり新人の私。
上司のフィードバックを待つ時間は、まるでテストの結果を待つかのように、期待と不安で心臓がバクバクしていました。
数分後、上司から声がかかり、結果は… 「指摘は1点だけ!」
心の中で大きなガッツポーズをしました!
これまで、上司からいただくフィードバックは、私の知らなかったルールや、見落としていた視点ばかり。
「なるほど…」「そこまで考えないとダメなのか…」と、自分の未熟さを痛感する毎日でした。
しかし、その一つひとつの指摘を自分の中に「確認リスト」として蓄積し、業務のたびに意識し続けてきたことが、ようやく形になったのだと感じられました。
それは、「言われたから直す」という段階から、「自ら気づき、実践できる」という段階へ、ほんの少しだけステップアップできた証のようでした。
もちろん、そのたった1点の指摘は、「自分でも気づけたはずだ…!」という単純な見落としだったため、悔しさが残るのも事実です。
でも、この「悔しい」という気持ちこそが、次の成長への一番のエネルギーになると信じています。
この小さな成功体験を胸に、さらに精度を上げていきたいです。
「つもりです」の落とし穴。指示の裏側を読めなかった大失敗
最高のスタートを切った日の午後、私を待ち受けていたのは大きな落とし穴でした。
上司から「この資料のチェックをお願いします」と、仕事を任せられました。
早速、資料のチェックに取り掛かりました。
誤字脱字はないか、数字に矛盾はないか、記載ルールに沿っているか…。
午前中の成功体験も相まって、「よし、ここも完璧にこなそう!」と、いつも以上に集中して確認作業を行いました。
そして、提出をしたのですがその後、入力がなかったということを指摘されました。
「え…?入力、ですか…?」
その瞬間、頭が真っ白になりました。
私にとって「資料のチェック」とは、あくまで書類上の不備を確認する作業。
その先の「システムへ入力する」という工程までが含まれているとは思っていなかったのです。
私の認識では、 資料のチェック = 書類を確認して完了
しかし、上司の意図は、 資料のチェック = 書類を確認し、不備を修正し、システムへ入力するまでの一連の業務
まさに、典型的な「認識のズレ」でした。
最初に業務を教わった時の基本的な流れに固執してしまい、「今回の場合はどこまで求められているのか」を自ら確認し、考えることを怠ってしまったのです。
点と点をつなぐ「なぜ?」の視点。部分的な業務と全体像の捉え方
なぜ、このような失敗が起きてしまったのか。
それは、私が「作業の目的」を理解していなかったからです。
経理の仕事は、一つの企業様の月次処理を1日で完了できることの方が稀です。
お客様から資料が届くタイミングもバラバラですし、給与計算のように他の情報が揃わないと進められない業務もあります。
そのため、どうしても一つの業務が部分部分に分かれてしまいます。
私が任された「資料のチェック」も、その部分的なタスクの一つでした。
しかし、それは”「最終的に月次決算を締める」という大きなゴールに向けた、無数のピースの一つ”に過ぎません。
その資料をチェックした「後」に、どんな作業が待っているのか。この視点が、私には完全に欠けていました。
領収書をチェックするなら、その後に会計ソフトへ入力する作業がある。
給与資料を確認するなら、そのデータを使って給与計算を行い、明細を発行する流れがある。
一つひとつの作業が、次のどの作業に繋がっているのか。
常に”「この仕事は、何のためにやっているのか?」というWHYの視点”を持つことの重要性を、身をもって学びました。
報・連・相の本当の意味。明日から実践する具体的なアクションプラン
今回の大きな失敗から、社会人の基本である「報告・連絡・相談(報・連・相)」の本当の重みを痛感しました。
ただ業務の進捗を報告するだけでなく、認識のズレをなくすためにこそ「報・連・相」があるのだと気づかされたのです。
これからは、指示をいただいた際に、以下の点を必ず自分の言葉で確認するようにします。
- この業務の「ゴール(最終的な完成形)」はどのような状態ですか?
- 私が担当するのは、全体の流れの中の「どこからどこまで」ですか?
- もし不明点やイレギュラーな事態が発生した場合、どのタイミングで相談すればよろしいでしょうか?
少し勇気がいるかもしれませんが、後から大きな手戻りを発生させてしまうより、最初に数分確認する方が、結果的にチーム全体の生産性を上げることにも繋がるはずです。
まとめ
研修66日目は、自分の成長を実感できた最高の喜びと、まだまだ未熟だと突きつけられた厳しい現実の両方を味わった、忘れられない一日となりました。
この大きな振れ幅があったからこそ、学べたこと、気づけたことがたくさんあります。
失敗は決して無駄ではなく、正しく反省し、次への具体的な行動に繋げることで、成長の糧になると信じています。
ジェットコースターのような毎日ですが、一歩ずつ、着実に前に進んでいけるよう、これからも全力で頑張ります!
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